日本のドラム式洗濯機の国内2台巨頭といえはパナソニックと日立で間違いないでしょう。
ドラム式洗濯機を選ぶ際、重要視される項目の一つに「乾燥機能」があります。
実は日立とパナソニックのドラム式洗濯機の乾燥機能には根本的な部分で大きな違いがあります。
今回は日立とパナソニックのドラム式洗濯機の乾燥機能の違いについてわかりやすく解説していきたいと思います。
それぞれのメーカーのドラム式洗濯機にメリットとデメリットがあります。
ドラム式洗濯機の買い替えを検討中の方は是非本記事を参考にされて下さい。
Contents
メンテナンスの必要がない乾燥式ドラム洗濯機はない
まずはじめにお伝えしたいのは各メーカーのドラム式洗濯機で毎日乾燥機能を使うような場合、メンテナンスをしないで10年も使えるドラム式洗濯機はありません。
縦型の乾燥機能洗濯機では洗濯槽にヒーターの温風を注ぐだけなので乾燥フィルターを定期的に清掃することで長く使えますが、ドラム式洗濯機は洗濯機の内部で温風を循環させる造りとなってます。
洗濯機内を温風が循環を繰り返すうちにフィルターでキャッチしきれない微細なホコリが乾燥ユニットやヒートポンプ(パナソニック)に溜まり、これを定期的に取り除かない限り、長く使うことはできません。
ドラム式洗濯機の乾燥機能は決してメンテナンスフリーではありません。
日立のドラム式洗濯機の乾燥は「熱」
日立の乾燥機能はヒーターが熱源です。
通常のヒーターの熱に加えて日立独自のヒートリサイクルというドラムを回すメインモーター回転時にから発生する熱を乾燥経路に取り込むことでダブルの熱を利用して衣類を乾かします。
基本的に衣類を乾かす「温風」はヒーターで作られてドラム内を循環します。これは縦型洗濯機ビートウォッシュと仕組みはほとんど一緒です。
「熱」で衣類を乾かすので乾燥の乾き具合はとても良いです。
表現を変えるとヒートポンプに比べ乾燥効果は「強力」です。
但し、ヒーターは電気代が高くなりがちです。
また、この熱の排気方法が日立のドラム式洗濯機の最大のデメリットと言われています。
日立はドラム式洗濯機の熱を排水溝に流してしまいます。
この時にN字型の排水トラップに溜まった水を排水溝の中に吹き飛ばしてしまいます。
この排水トラップに溜まった水は蓋の役割を果たしており、下水からの臭いを防止する働きがあります。
これを乾燥時に熱風で吹き飛ばしてしまうため、下水の臭いが直接ドラム式洗濯機内部に入り込んでしまいます。
これが日立のドラム式洗濯機で乾燥すると衣類が臭くなると言われる理由です。
これを防ぐために「排水トラップカバーB」というパーツがあるので日立のドラム式洗濯機を設置する場合はこれを利用するのと、それでも衣類が臭くなる場合は除湿方式を排水溝に排気しない「水冷式」にしましょう。
日立のドラム式洗濯機乾燥機能が弱くなる、乾燥時間に「見直し」が入り乾燥時間が長くなる場合、原因はほとんど乾燥フィルターや乾燥ユニット(ヒーターからドラムまでの経路)に詰まるホコリが原因です。
日立のドラム式洗濯機はこの経路をある程度ユーザー側で清掃ができるので、こまめに清掃することで乾燥機能を維持することが可能です。
清掃の方法としては掃除機の先に取り付けるスイコミホースというパーツが購入時付属されているのでこれを乾燥フィルターの先に突っ込んで内部のホコリを吸い取ることができます。
パナソニックのドラム式洗濯機の乾燥は「除湿」
パナソニックのドラム式洗濯機の乾燥は「ヒートポンプ乾燥」です。
雨の日に車の曇ったフロントガラスをデフロスターを作動させて曇りを取り除くと思いますが、パナソニックドラム洗濯機の乾燥機能はこれと似た原理です。
車のフロントガラスの霜取りは乾燥させた空気を窓ガラスに当てることによりガラスの霜(水分)を取り除いていきます。
パナソニックのドラム式洗濯機の乾燥ではドラム内に空気を循環させて並んだ2つのアルミフィンを通過させます。
最初のアルミフィンがエアコンでいう「冷房運転」時の冷えたアルミフィンです。夏場エアコンを使うと外のドレンホースから水が出てきますが、あれはエアコン室内機の冷やされたアルミフィンから発生する水分が外に排出されたものです。
最初のアルミフィンで循環する空気から水分を除湿します。
続いて2個目のアルミフィンはエアコンでいう「暖房運転」。
冬場のエアコンの暖房はお部屋を乾燥させますよね。
その原理を利用して除湿した空気を更に乾燥させてドラム内に送り込み、ドラム内の衣類を乾燥させていきます。
ヒートポンプ式ではこの作業を延々とドラム内で繰り返し、空気を循環させます。
除湿→乾燥→ドラム内の水分を含んだ空気の取り込み→除湿→乾燥→
といった具合です。
パナソニックのヒートポンプのメリットとしてはヒーター乾燥ではない、いわばエアコンの省エネ運転ですので乾燥の電気代が安いこと、そして熱で乾燥させず、除湿で水分を取り除き優しく暖めるので衣類にダメージが少ないことです。
パナソニックのヒートポンプ式のデメリットは長期間使うことでフィルターでキャッチできない微細なホコリがヒートポンプユニットのアルミフィンに直接溜まってしまうことです。
冒頭でもお伝えしたように、ドラム式洗濯機は乾燥フィルターだけでは全てのホコリはキャッチできません。
エアコンの室内機のフィルターと同じで数年使うと内部のアルミフィンの隙間にホコリが溜まっていきます。
これがホコリがヒートポンプにある程度詰まってくると水分の除去ができなくなり、乾燥時間の延長や乾ききらないといった症状がでます。
この場合、乾燥フィルターの清掃で直らなければ残念ながら、ドラム式洗濯機を分解してヒートポンプユニットを取り出して清掃する他ありません。
これは一般の方には難しく、メーカーのサービスマンか家電の修理業者などに依頼しなくてはいけません。
おそらくこれがパナソニックドラム式洗濯機の最大のデメリットでしょう。
日立とパナソニックのドラム式洗濯機の乾燥 まとめ
日立とパナソニックはドラム式洗濯機では非常に人気のあるメーカーです。
今回の記事では乾燥機能に絞ってお伝えしました。
日立のドラム式洗濯機はヒーター式での乾燥のため、電気代が高め、設置時に水冷式で排水トラップカバーBをつけずに乾燥すると衣類が臭う可能性があります。
但し乾燥は強力で、ヒーター自体にホコリが詰まるような造りではないため乾燥ユニットを掃除するなど適度なメンテナンスを実施することで長く使うことが可能です。
パナソニックのドラム式洗濯機はヒートポンプ式。
省エネで衣類をふんわり優しく洗い上げますが、乾燥循環経路にヒートポンプがあるため、長く使用することで蓄積したホコリが乾燥効率を落とします。ヒートポンプはヒーターを使わず低温での乾燥ができるので排水溝に熱を排気する必要がないので衣類から下水臭がすることはありません。
以上が今回の日立とパナソニック、ヒーター式とヒートポンプ式の違いについての記事となります。
ドラム式洗濯機に買い替えを検討されている方の参考になると幸いです。
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