リサイクル家電記事

中古家電の輸出事情

日本の中古家電は海外で人気


日本の家電は海外で非常に人気があることをご存知でしたか?

実は毎日ものすごい数の中古家電が海外へ輸出されています。

行き先は主にフィリピンやカンボジアなど東南アジア諸国です。

今回は国内でリサイクルされる中古家電ではなく海外輸出される中古家電にスポットを当てて解説していきたいと思います。

中古家電の輸出先は以前まで中国だった

2010年頃まで中古家電の輸出先は中国でした。

皆さんもスクラップ火災で船が燃えたり、スクラップ買取業者が火事を起こしたりするのをニュースで見たことがあるのではないでしょうか。

あの金属スクラップはほとんどが中国行きの商品した。

この頃の輸出対象の中古家電はリユース目的ではなく粉砕されてスクラップとして買い取られ、再資源の有価物として取引されてきました。

しかし中国での環境汚染は日本では考えられない深刻な状態となり、現在は規制がかかり、中国へのスクラップ家電の輸出はできなくなりました。

現在の中古家電の輸出事情

現在はフィリピン、カンボジアが主な中古家電の輸出先となります。

以前の中国のように再資源としての取り扱いではなくきちんとリユースされる目的で中古家電は輸出されます。

その為、輸出先で需要のない中古家電は国内バイヤーが買取をしないため、以前中国でスクラップしていた頃のような家電ならば何でOKという感じのレパートリーはありません。

また、中古家電は海外で修理されることを前提としています。

その為、海外バイヤーが買取する際も動作確認はしません。

では何を確認するかというと、原型がしっかりしているか、付属品はあるかなど、修理して再度販売できる商品かという点です。

現在、冷蔵庫や洗濯機は家電リサイクル方により国内で廃棄する際は家電リサイクル料金が必要となりますが海外輸出の貿易品として扱えば費用を支出することなく、逆にお金になる可能性もあります。

これは自動車などではよくあることです。
壊れた自動車のパーツや本体そのものが海外に輸出され修理されて現地で販売されるのをテレビ番組などで見たことがある方も多いのではないでしょうか。

中古家電でも現在同じようなことが起こっています。

ではどのような中古家電が海外では人気があるのでしょうか?

ひとつずつ見ていきましょう。

海外で人気の中古家電

中古テレビ

少し驚くかもしれませんがいまだに海外市場では日本のブラウン管テレビが売れます。
海外の中古家電の需要の特徴は「娯楽」に直結する家電に人気が集まるということです。中古のテレビもそのひとつです。

なぜいまだにブラウン管なのかというとフィリピンでは日本のブラウン管テレビを修理して販売ができる販売店が多くあり、修理を担当する技術スタッフが揃っているためです。

液晶テレビに比べブラウン管テレビは衝撃に強いため、コンテナ輸送の際に破損しにくいというメリットもあります。中古の液晶テレビは偏光板が輸送途中に破損した場合は修理はできません。ブラウン管は非常に硬いのでなかなか割れることもありません。

中古のエアコン

中古のエアコン
近年、地球規模での温暖化の影響もあり、日本の中古エアコンは非常に人気が高まっています。
海外でもセパレート型エアコンの取付業者が増え、エアコンを専門に修理する業者の数も多くなってきております。

日本のエアコンは高品質なためで特にカンボジアで人気です。

メーカ別ではパナソニック、三菱、東芝、ダイキンが人気です。

日本でガスが抜けて廃棄となるはずの中古エアコン、基盤の故障で動作しない中古エアコンもカンボジアに到着すれば専門の修理業者が修理、メンテナンス、ガスチャージをして再販されます。

R410Aというノンフロンガスのタイプのエアコンが海外リユースの対象となりますので90年代のエアコンはリユース不可となります。

中古冷蔵庫

日本の中古冷蔵庫も海外では非常に人気の商品です。
メーカ別でみますと「パナソニック」「日立」「三菱」「東芝」のファミリータイプの大型冷蔵庫が人気です。

現在は日本でもそうですがミラータイプのタッチ操作式の冷蔵庫が海外の富裕層に人気でこのタイプでは日立が群を抜いて人気があります。日立の真空チルドも人気を後押ししている理由のひとつです。

現在、戦後の日本と同レベルの発展途上のカンボジアでは現在の日本のような核家族ではなく、大家族が多いので冷蔵庫のサイズも必然的に大型のファミリータイプが選ばれます。

しかし産業が増え、若者の単身労働者が増えれば2ドア冷蔵庫も人気が出てくるはずです。

冷蔵庫も修理前提で輸出されるので使用に問題のない状態で付属品の欠品などなければ買取してもらえます。

年代的には2005年あたりまで(15年前ぐらいまでの冷蔵庫が対象となりリサイクルショップでは買取ができない年式も可能)となりますので冷蔵庫は買い替えの際に家電リサイクル処分するよりも非常にお得です。

但し、海外リユースの買取業者は出張買取などはしていませんので自身で持ち込みしなくてはならずその面で敷居が高いです。

中古洗濯機

日本製の中古洗濯機も非常に人気です。

冷蔵庫と同じく大家族で使うため5.5Kg以上の洗濯機が買い取られ海外に輸出されます。
現在、縦型洗濯機より圧倒的にドラム式洗濯機が人気です。
メーカ別ではパナソニック、日立、東芝が人気です。

カンボジアでは洗濯は最近まで川で洗濯していたそうですが、ここ数年の日本からの中古品の輸入で、はじめて使う洗濯機がドラム式洗濯機という家庭もあるようです。

洗濯機の歴史は二槽式洗濯機から全自動洗濯機、そして現在のドラム式洗濯機となりますのでこの変化は驚きですよね。

中古オーディオ機器

現在、日本ではスマホが普及し、皆スマホで音楽を聴くためコンポなどオーディオ機器はリサイクルウショップでは見かけなくなりました。

しかし海外の中古市場ではいまだに日本製のオーディオ機器は人気があります。
主にコンポ、スピーカー(接端子式のタイプ)、ラジカセも人気があります。

海外輸出の中古家電まとめ

いかがでしたでしょうか?

特に産業がないカンボジアでは日本の中古家電は非常に人気です。

日本メーカではパナソニック、東芝、日立、三菱などが人気が高いです。

少し意外ですが海外中古家電市場ではシャープの人気が低いです。ハイアールなどと同じ区分で取り扱いされています。

中古家電の海外輸出・海外リユースではHAMAYAが有名です。

近くにHAMAYAの営業所があれば中古家電は国内で有料処分するのではなく、壊れていても海外輸出品として買い取ってもらえるかもしれません。

中古家電の廃棄の際はリサイクル券での有料処分以外にも方法があります。

ぜひ今回の記事を参考にされてください。